年寄りのお節介
 働き方改革/脳ミソの活性化ともの忘れ、働き方
「働き方改革」の大原則は、労働者のゆとりを高めること<201021>
理想と現実に隔たりがある「働き方改革」<200618>
「働き方改革」の大原則は、労働者のゆとりを高めること
   
困ったことに、世間の「働き方改革」の意味は私が考えていることと違っているようです。

私が考える「働き方改革」とは、例えば今までの労働時間数を何割か減らして、しかも従前の賃金をいただくことです。
或いは、同じ労働時間数を働いているのであれば、従前の賃金に何割かを上乗せすることと思っています。

その方向性を作るのは経営者であって、労働者ではないことです。
そのためには、会社全体の生産性を高める必要があります。

確かに、先進国の中で日本の労働者の生産性が低いと指摘されています。
しかし、その原因が労働者側に存在していると考えるのは、ちょっと違うと思います。

ほとんどの企業は、個々の労働者の賃金を抑えることで利益を確保しています。
そのほうが事業経営が楽だからです。

企業は、安価な賃金の労働者を大量に雇い入れます。
安価な賃金の労働者であれば、代替えが容易で雇い止めも容易です。

先進国と言われる日本ですが、高額な賃金を支払う必要がある優秀な従業員の数はあまり多くありません。
そのため、募集や採用には多額の費用が必要です。

しかも、企業は、優秀な従業員を採用し、優秀な従業員に育てることもしなくなりました。
そのため、低賃金の労働者を大量に雇い入れているのです。

企業の利益を考えるのであれば、賃金総額を考慮して少人数の優秀な従業員で賄うことです。
その方が合理的に事業経営ができるはずです。

しかし、「働き方改革」が思わぬ方向に向いています。

ある大手の金融機関が週休3日、4日制を導入すると言う話です。
従業員が選択するらしいのですが、希望者は週休3日制や4日制になりますが、その分基本給を何割か下げると言うのです。

結局、今までと同じ収入を得たいときは副業をすることになります。
企業が従業員の副業を認めるときは、企業が従業員に対する責任を軽くしようとする意思が感じられます。

そのようなことで、世間の「働き方改革」は、私が考えている「働き方改革」とは大きく意味が違っているようです。
<201021>
理想と現実に隔たりがある「働き方改革」
   
新型コロナウィルス感染症が世界を混乱させています。
そして、感染症による被害が多方面で出ています。

日本経済は大打撃を受けています。
もちろん医療関係も大きな被害を受けています。

そのような中で、多くの労働者も被害を受けています。
ただ、相手が新型コロナウィルス感染症ですから不満は政府や自治体に向きます。
多くは対応の遅さです。


さて、中心部が空洞の丸い「ドーナツ」を思い描いてみてください。

「ドーナツ」の中心部は空洞です。
この空洞の部分は、新型コロナウィルス感染症の出現でもあまり影響を受けず、逆にこれをキッカケに儲けている人たちです。

私たちが食する以外の外は、宇宙のような果てしない空間が広がっています。
新型コロナウィルス感染症の影響をほとんど受けない人たちの領域です。

経済的な落ち込みもなく、平穏に生活を続けている人たちです。
すでに年金だけで生活している人、大自然の中で自給自足の生活をしている人です。

通常一般の働かなければ生活できないという人ではありません。
高齢者の一部にもそのような人はいます。

もちろん不便はありますが、少しの我慢で過ごせる人たちです。
別の言い方をすれば、「蚊帳の外」的な人たちです。

新型コロナウィルス感染症の登場でいちばん影響を受けているのは、私たちが食する部分にいる人たちです。
彼らは社会活動の中心におり、満員電車で通勤し、感染のリスクが高いところにいます。

この私たちが食する部分には、いろいろな立場で働く労働者がいます。
仕事の内容にもよりますが、テレワークに移行して喜ぶ人がいます。
しかし、テレワークができない労働者もいます。

また、テレワークができたとして、労務管理に不満を訴える人もいます。
それは日本が真の能力主義、成果主義になっていないからです。

年功序列から生まれた上司は、部下を管理する立場にいます。
しかし、そのような上司はテレワークにおける管理方法を知りません。

で、直接的な管理に走り、テレワークにおける管理に移行できないのです。
ただ、テレワークにおける管理にも問題はありそうですが・・・

いずれにしても社会の中核にいる人たちのほとんどは「働き方改革」には程遠い状況です。

「働き方改革」の大原則は、能力主義、成果主義であり、結果の評価が重要です。

ですが、旧態依然の上司による管理では、ネットに接続している時間や送信したメールの数を確認するためにテレワーク従業員にメールを送信するなどして確認することになります。

さらに、ネットワークソフトはがテレワーク社員の仕事ぶりや関わり方を管理しています。
悲しい限りですが、パソコンを開いていると仕事をしているように見えますから不思議です。

日本人は、経過を重要視する傾向があります。
これが日本におけるテレワークが遅れている要因のひとつのようです。

「働き方改革」は、もっと働く人にとって自由で楽しいはずなのですが・・・
<200618>